「デザイン=センス」を否定する広告デザインの基本

これからデザインを学ぶ人が覚えるべき4つの法則をわかりやすく解説

「デザイン=センス」を否定する広告デザインの基本
デザインの仕事に興味があります。でも正直に言うとやったこともないですし、まずはどんなことが大切なのかを手っ取り早く知れたらいいなと都合の良いことを考えています。
デザインにおいて本当に基礎的で、しかも大切なことは何ですか?分かりやすく知りたいです。
実は、基礎的で大切なことは理解できやすいように定義され、原則化されています。
しかも4つだけなので、誰にでもすぐ理解することができます。

なぜすぐ理解できるかと言うと、これらの普段何気なくあなたも自然にやっているようなことで、「あー、なるほどそういうことね!」と思えるほど簡単だからです。

 

私は12年間、企業のインハウスデザイナーとして広告デザイン、製品カタログのトータルプロデュースとデザインや編集作業、Webメディアサイトのプロデュースといったブランド宣伝に係るデザインの仕事に携わってきました。

【主なWebメディアの実績は以下です】
>HOUSTO-おウチの収納.com
>売場の安全.net

そして私はデザイン学校に通わずに、営業マンから独学でデザインを習得して、独立しました。

 

この記事では、手っ取り早くデザインの基礎的な原則をお教えします。

そしてこの記事を読めば、あなたにとって最初でありながら最も大切な4つの基礎を学べますので、この先デザイナーを目指すのに大いに役に立ちます。

また、この記事を読んで覚えたことをパワポ資料作りなどで実践すれば、以前より一歩進んだ仕上がりとなりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

4つの原則を知る前に覚えておくべき大前提

デザインのルールとしてまず意識しなければならないことは、

 

その広告や資料を見る人を、一瞬でも惑わせない・迷わせない

 

ということです。

「アート」と「デザイン」との違いはこの「迷わせないで正確に伝える」というところにあります。

 

 ・「アート」は、その価値や判断を見る人に委ねる=正確性は問題ではない
・「デザイン」は、情報をきちんと伝える=正確性が最も重要

 

「デザイン」は見る人に「これどういう事?」や「見づらくて何が言いたいのかわからない」と思われないようにしなければなりません。

目に飛び込ませようと、過剰な演出や派手な見た目にすると、見る人を迷わせることに繋がりやすいので注意しましょう。

 

そうならないために、以降で紹介する4つの基本原則をしっかりと身に付けて、伝わるデザインを作っていきましょう。

 

広告デザインで最初に覚える4つの基本原則とは

この4つの原則を覚えれば、それだけでももうグッとデザインが良くなります。

 

1.近接
2.整列
3.反復
4.コントラスト

 

このように単語にするとイメージしにくいかも知れませんが、実はこれらあなたが普段から無意識にやっていることがほとんどです。

ここから1つ1つ解説をしていきますが、注意として、「近接」「整列」「反復」「コントラスト」の4つ基本原則は、互いに関連しあっています。

 

1つだけ使おう!ではなく、必ず複合技で使う

 

このことをぜひ頭の中に入れておいてください。

 

広告デザインの基本原則 レベル1-「近接」

「近接」とは、同じに分類される情報を離さないで近づけておいて関係性を分かりやすくする、という原則のことです。

デザインだけで関係性を示そうとする場合は、離れてしまうと関係性が分からなくなります。

ムダに補足の説明文が必要になってしまいます。

例えば下の2枚のイラストを見て考えると分かりやすいと思います。

 

近接例a→他人?
近接例b
→親子と分かる

 

最初のイラストは、親子じゃないかもしれない、でも親子かもしれない。と、迷ってしまうかと思います。そして言葉で「この二人は親子です」と補足しないといけなくなります。

しかし、もう一方のイラストを見ると、これは言葉で補足を入れなくても親子であると分かると思います。

関連のあるもの(親子)だと示すために、離さずにそばに置いている(手を繋ぐ)から親子だと理解できるのです。

 

つまり「近接」とは、言葉で細かく説明をしなくても、

 

見る人を迷わせないようにするために、関連するものは近づけて1つのユニット(グループ)にする

 

というルールです。

そして、視線の動かし方にも影響があります。名刺の例を見てみましょう。

左は視線を3回、右は視線を2回動かします。

左は、「見づらい」「不便」「バラバラ」「印象も悪い」と感じたのではないかと思います。

そして右は、電話番号とメールアドレスが1つのユニットになっていますので、「分りやすい」「印象もよい」など、デザイン全体のバランスもグッと引き締まります。

このような感じで、デザインは、見る人を迷わせるようなことを避けるように心がける必要があります。

 

 関連する情報はバラけさせないで、ユニット化(グループ)にする

 

これが「近接」です。

変に離さないで、同じ種類の情報は近づけてユニットにしましょう。

 

さらにこちらの記事を読むと「近接」のことがもっとよく分ります。ぜひ読んでみてください。

関連記事>>広告デザイナー初心者が最初に覚える基本「近接」とは?

 

広告デザインの基本原則 レベル2-「整列」

「整列」の基礎とは

「整列」とは、「意識的に整列をさせて一体性と組織化」を図ることです。

整列がされていないモノを見るとどんな印象でしょうか?おそらくだいたいの人が「ワケのわからない状態」と感じると思います。

イラストを見てみましょう。

 

整列例a
→まとまっていない
整列例b
→整列している

 

2枚目のイラストは整列されています。

列を作っていることで一体性があり、手前から1列目、2列目…と組織化されていて見やすいのではないでしょうか。

 

 まとめてきれいに並べるということを、意識的に行なう

 

これが「整列」です。

 

人が整列するのと同じです。

ぐにゃぐにゃと並ぶよりキレイに並んで整列されている方が視覚的に印象がいいですよね。

広告デザインも同じです。整列されていることが全体のデザインの印象を良い方へ引き上げてくれます。

一歩進んだ「整列」を解説

揃えて整列させると、「想像上の線」がキレイに見えるようになります。

下の画像を見てください。

 

イマジナリーライン

 

実際には線は入っていませんが、整列で揃えることによって「見えない線」が見えると思います。

この想像上の見えない線のことを「イマジナリーライン」と言いますが、

イマジナリーラインがキレイに見えれば見えるほど、一体化が生まれ全体がスッキリと美しいデザインになります。

 

以下の例で、最初の例とその次の例では、どちらの方がよりキレイに見えますか?

整列例c

どちらもある程度キレイにまとまっている気がしますが、イマジナリーラインの形を考えると次のようになります。

整列例d

最初の例ですと、

ガタガタの方のイマジナリーラインをイラスト画像の枠の直線で閉じ込めてしまうため、アキがハッキリと浮き出てしまいます。

 

下の例のように、

直線は直線同士で近づけて整列の要素を強めて、ガタガタの方のイマジナリーラインを開放させると、より良く見えるはずです。

 

画像+テキストでユニットを作る場合は、基本的に

 

・左に画像を配置
・右にテキストを配置

 

すると整列がキレイにまとまるのでオススメします。

 

広告デザイナー病(私の造語です)になると、変なアキや整列がされていない状態はとにかく気持ちが悪い。。。

 

きちんと整列させて、きれいに見えるようにしたいですね。

 

さらにこちらの記事を読むと「整列」のことがもっとよく分りますので読んでみてください。

関連記事>>広告デザイナー初心者が2つ目に覚える基本「整列」とは?

広告デザインの基本原則 レベル3-「反復」

反復とは、「色や形などのデザイン要素は繰り返して使い、仲間ハズレの要素をなくして統一性・一貫性を持たせる」ことです。

以下を見れば一目瞭然だと思います。

反復見出し

特長のことを3つ言っていますが、

左は色がバラバラで、マークも◯だったり☆だったりで、「特長のことを言っている仲間」なのかどうか迷ってしまいます。

 

右側を見るとどうでしょう。

右側は色もマークも統一されているので、これは特長のことを言っている仲間であるとすぐに分ります。

 

このように、

色や形などのデザイン要素を繰り返し使い、一貫性を保って同じ仲間であることを伝えやすくするのが「反復」となります。

少し極端な例ですが「◯みずみずしい」「◯整う」「◯美しい」というフレーズを離れたところに置いてみるとどうでしょう?

 

反復例_バラシ

不思議と、離れていても特長のことを言っているグループだと理解できるのではないでしょうか。

この法則を使えば、離すこともできるので、きれいに整列させるオーソドックスな配置から、敢えてバラしてデザイン的に一歩進んだものにすることも可能です。

ただし、目線の動きを無視したバラし方をすると逆効果ですので、バラすなら目線の動きを計算してバラしましょう

同じくデザインされた要素は離しても分かるので、違和感なく、デザイン性を上げらます

同じデザイン要素を繰り返し使いましょう。そうすると「同じグループだよ!」と暗に示すことができます。

 

さらにこちらの記事を読むと「反復」のことがもっとよく分りますので読んでみてください。

関連記事>>広告デザイナー初心者が3つ目に覚える基本「反復」とは?

広告デザインの基本原則 レベル4-「コントラスト」

コントラストは強弱やメリハリです。

強弱やメリハリがないと、平坦になり重要なことが伝わらなくなってしまいます。

以下の例を見てみましょう。

コントラスト1

左の例は文章にメリハリがなく、読みづらいですよね。

右側はどうでしょうか。

ユニットにして、最初の文字を大きくしただけですが、読みやすさと目に入りやすさはメリハリが付いたことで格段に上がったのではないでしょうか。

このように、

 

メリハリをつけてインパクトを出すことによって、読みやすさやデザイン性は想像以上に高まる

 

これが「コントラスト」の基本です。

 

人は基本、文章を読もうとしませんので、このコントラストを意識しないと100%スルーされてしまいます。

また広告のデザインは、まったく無意識な人の目に一瞬で飛び込ませるような仕掛けが必要です。

 

じゃあ、派手派手でモリモリに作ればいいんじゃないの?

突拍子のない派手なものならいいのか、というとそうではありません。

嫌悪感を与えずに、好印象で飛び込ませることが大切です。

 

次の例を見てみましょう。

コントラスト2

情報や素材はまったく同じです。

右側の方が丁寧さも伝わり、印象が良いのではないでしょうか。

そしてどちらの方がメリハリがあるかは、一目瞭然ですね。

(画像クリックで拡大します)コントラスト3

このように、

重要なところとそうでないところを分けて、大胆に強弱をつけてみましょう。

 

文字の強弱をつける場合、文字の大きさや太さを変えたり、動きをつけてみたりして他と差別化する方法が有効

 

キャッチコピーや見出しは、この方法を必ず使うと言っても良いでしょう。

 

忘れてはいけないのが、

 

これまで紹介した他の基本原則をきちんと使う

 

ということです。

 

今回の例は反復要素こそありませんでしたが、それ以外の基本原則はしっかりと使っています。

丁寧さを感じるのは、こういった基本原則に沿ってデザインしているからです。

 

メリハリをつけてコントラストをつけて、好印象で目に飛び込ませることを意識する

 

これは必ず覚えておきたいところです。

 

電車や街中のポスターや広告は目に飛び込ませるために、あらゆる方法でコントラストを使っています。

どのようにコントラストをつけているか意識して見てみるととても良い勉強になると思います。

 

さらにこちらの記事を読むと「コントラスト」のことがもっとよく分ります。

関連記事>>広告デザイナー初心者が最後に覚える基本「コントラスト」とは? 

まとめ

まとめ

たった4つの広告デザインの基本原則を実際に意識して作るだけで、まとまりやメリハリが出るようになります。

意識的に使うことで差が出ますので、ぜひ使っていきましょう。

 

広告デザインの基本原則1-近接
・関連情報は近づけてまとめる
・関係性を言葉で補足しなければならないような配置にしない
広告デザインの基本原則2-整列
・意識的に整列をさせて一体性と組織化を図る
・イマジナリーラインが美しく見えるように揃える
広告デザインの基本原則3-反復
・色や形などのデザイン要素は統一して利用し、仲間はずれを作らない
・色や形などのデザイン要素を統一すれば、離れていても同じ仲間だとわかる
広告デザインの基本原則4-コントラスト
・メリハリをつけてインパクトを出すことによって、読みやすさやデザイン性は想像以上に高まる
・単純に派手にするのではなく、好印象でデザインしていく

 

注意点は、

 

この4つの広告デザインの基本原則をバラバラに個別で使わず、必ず複合技で使っていく

 

という点です。

 

まずはパワポ資料作りを意識して作ってみると良いかと思います。

伝わりやすく、迷わせない資料になって、格段にレベルアップしますよ!

 

デザインの基礎的なことをもっと深く学びたい場合、以下の3冊がオススメです。

広告デザイン初心者にオススメ!基本を押さえられる3冊

1.『ノンデザイナーズ・デザインブック』

これからデザインのことを学んでいきたいあなたにピッタリなのがこの『ノンデザイナーズ・デザインブック』です。

著者が日本人ではなく参考例も外国の広告ですが、日本の広告例だと、広告内容を見てしまったり穿った目で見てしまったりするのでむしろ外国の参考例の方がイメージ的に頭に入りやすかったりします。

翻訳した本なので日本人の言い回しと違い、良く読まないと意味が理解できない箇所もあります。

なのでじっくりと読むことなるので、嫌が応にも頭に入ります。それがこの本の一番良いところかもしれません。

この『ノンデザイナーズ・デザインブック』を解説した記事がありますので、気になる方は読んでみてください。

これからデザインを学ぶ人におすすめ『ノンデザイナーズ・デザインブック』を解説

2.『けっきょく、よはく。』

デザイン初心者が陥りやすいこと、「埋め尽くす」について、そうではなく空白を活かすとこんなにも目への飛び込み方が違うでしょ、と実例を紹介しながら丁寧に解説してくれています。

デザイン例をたくさん掲載しているので、私はデザイン案やレイアウト案に詰まった時にも参考にして読んでいます。
基礎的なことをある程度理解したら、ぜひ手に入れたい一冊です。

3.『なるほどデザイン』

初心者にはとても取っつきやすい内容で、「デザイン=楽しい」をテーマにしている本です。実際に楽しくなります!

難しい理論的なことを出来るだけ専門用語を使わないで馴染みのある言葉で説明しています。

各ページとも非常にデザイン性が高く、見ているだけで表現の肥やしになって、よし!マネして作ってみよう!と思わせてくれるのでオススメです。

基礎的なことをある程度理解したら、ぜひ手に入れたい一冊です。

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